執念の勝利(2)
和歌山ツアー
5/2
白浜へ向かいます。和歌山I.C.から阪和道で一時間ほど、その後下道を走って到着。夏はこの道かなり渋滞するでしょうが、この時期なのでさほど混まずにつけました。
和歌山に来たからには私の楽しみはさかなさかなさかな〜♪ですよ。
白浜の街の手前にとれとれ市場なるものがあり中の食堂でいただきます。和歌山の勝浦港は近海マグロの水揚げ地で有名なので普段は食べないマグロ、しかも多分中トロか大トロ。とろける〜。高級魚クエ。肝ダレにつけて食べるとたまりません。エビの塩焼きにサザエのつぼ焼き、アサリ汁に鯛めし、めはり寿司。一口食べるたびに幸せを感じられます。
お腹がいっぱいになったので少し腹ごなしに観光しましょう。というか道を一本間違えてホテルから少し離れたところに出てしまったのでついでというか。
沖合い100mに建てられた海中展望塔の内部の階段を下りると12個の窓から水深6mの世界が覗えます。そこには水族館と違い自然が作り出した海底や打ち寄せる波にもまれる魚の気まぐれさが私をとりこにしました。残念なことに前日の雨で少し濁っていてよくの魚は見られませんでしたがガイドによると300種の魚が観察できるそうです。
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海からそそり立つ50mの断崖の三段壁。波が打ち寄せる姿はまるで東尋坊(福井県)のようだと思っていたらやはりそのようです。皆が記念撮影をしている近くに“一寸待て(以下略)”という看板が!やはりそのような目的の方もいらっしゃるようです。 |
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さてこの三段壁の下層には壇ノ浦の戦いでも活躍した熊野水軍の舟隠しの洞窟がある のでエレベーターで降りてみます。 狭い洞窟の入口に押し寄せてくる波は洞窟内部の壁に勢いよくぶつかり、砕け、白い波 しぶきと轟音を上げる。こうしてこの洞窟は奥行きをましていくのでしょう。ただし本当にこ んなところに舟を隠しておけたとは思いません。激しい波で岸壁に叩きつけられて海の藻 屑になっているはずです。実際は近くに隠しておき後年伝説としてこの地が選ばれて語ら れたのでしょう。 |
さて夕方になると日中の暑さも和らぎ過ごしやすい気温になりましたが疲れが出てきたので本日の宿へ。今回は初の民宿に泊まります。中心街から少し離れているので車の喧騒もなく、畳に、窓にはすだれが掛けてあり田舎に帰ってきたような感じの宿でした。ただし一つだけ大きな問題がある。それは造りがやぐい。隣の声が聞こえるだけならまだしも、隣で人が立って歩くだけで床が揺れる。これには本当に驚かされました。今地震来ても津波には巻き込まれなくても絶対この建物崩れ落ちると確信しました。
5/3
昨日はMちゃんが素敵な喫茶店で長居をしてしまった為(結果は金星です)お風呂の利用時間に間に合わなかったので朝風呂です。民宿ですが露天風呂もあるのがここの目玉です。朝のすがすがしい空気、静けさの中に湯の流れ落ちる音。朝風呂っていいですね〜。
臨海から海の中がのぞけるグラスボートというのが出てるのでいってみます。船底がガラス張りになってるようです。海人さんのショーを見せてくれるのですが、海人さんには悪いのですがあまり楽しくありません。鳥羽の海人ショーは実際に獲物を取ってくるのですがここでは獲物を取るために深く潜ることもなくこちらの船のすぐ下を泳ぐだけです。海人さんショーが終わると魚のいるポイントへ移動します。こちらはもう少し深めのところまで移動します。そこで私は悲しい光景を目の当たりにしてしまいました。魚がいなきゃ詐欺になるってんで撒き餌をしていました。そして撒き餌効果で魚はいっぱい。それを見ないですんだ隣のカップルは「すごーい。お魚いっぱい」と彼女がうれしそうにしていました。知らぬが仏。
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またこのグラスボートは白浜の名勝の一つ円月島のすぐ近くを通ります。円月島は波によって浸食され島の真中がくりぬかれ、そこに沈んでいく落日が美しいとされています。石川県にも巌門という同じように波の侵食で真中がくりぬかれた島がありますが印象は全く違います。同じように海はきれいなのですが海の色がもっと濃く、岩は黒くごつごつとしていて、海と岩が一体化していたように感じられました。白浜は海の色が明るく、岩の色も白く、また島の上の緑も新緑の為、青、白、緑のコントラストが大変美しいです。日本海と太平洋の差なのでしょうか。 |
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さて船で揺られて青くなったMちゃんが復活したのでタクシーで千畳敷へ向かいます。千 畳敷は白く柔らかい岩が打ち寄せる荒波によって浸食され、名前のとおり畳が幾重にも 積み重ねられたような岩盤です。足場を選んで波打ち際まで進んでいきます。 |
しかし進むごとに増えていく岩に描かれた落書きの数々。この柔らかい岩という性質がこの地形を生み出したのに、その性質がゆえにこのようになってしまったのでしょう。こういうことをする人は許せません。旅行の記念は写真に撮りなさい。いつかまた波に洗われて消えてくれるのだろうか。それとも新たに彫られるスピードの方が速いのだろうか。
白浜といえば温泉も有名です。白浜には外湯が6つあります。松の湯、綱の湯、白良湯、崎の湯、牟婁の湯、しらすな。しらすなはビーチの中にあり、水着で入れるという海水浴客にはうれしいところです。綱の湯は中心地から少し離れた銭湯感覚の湯らしいです。松の湯は白浜の名勝「円月島」が眺められるようです。私が行ったのはこの残りの三つです。
牟婁の湯近くのネオンがまぶしい素敵な喫茶店にMちゃんをおいていざ外湯めぐりへ。
まずは昨日から気になっていた崎の湯です。昨日海中展望棟から男湯が見えていました。海に突き出た格好の温泉。
しかし突然温泉に行ってもいいよと言われてもタオルがない。しかたなくタオルを購入しましたが、このタオルには妙なことが書いてある。
家にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る
はてこの歌は有馬皇子だったよな。たしか謀反起こしてどこかへ護送されている途中で歌ったもので「家にいるときはご飯は器に盛るけど、今は旅の途中(本当は護送中)だからご飯を椎の葉に盛るしかない」って意味じゃなかったっけ?でもなんで崎の湯と関係があるんだろう。
はてさてと思いながらも脱衣所へ向かう。脱衣所といっても簡素なものでロッカーとついたてがあるのみ。そのむこうは温泉と大海原。男湯と同様に屋根もない。さすがに両サイドは塀で囲われてはいます。温泉は三つに分かれており脱衣所から上中下と下がっていきます。とりあえずすいている真中の湯へつかります。そこはなんという開放感でしょう。女湯っていつも全てを塀で囲われていて頭上にも屋根があって閉塞感いっぱいでこれでも露天風呂か!っていいたくありませんか?同じ料金なのに男湯の方が景色いいのはずるいと常々思っていたのです。でもここにはふと見上げると青い空。眼前には青い海。波の音もすぐそこに聞こえる。男湯っていつもこんなにいい思いしてるんだとしみじみ思いましたよ。
さて一番下の海の間近の湯がすいてきたのでそこへ向かいますがよく見てみると上に建っているホテルからここ見えそうです。もちろんそこはホテル側も配慮しているかとは思うけど。うーん…と思うけど開放感に感化され溢れ出しそうな好奇心は止められず、えいやっと一番下の湯へと移動。岩の間からみえる青い海。時折見える岩に砕かれる白い波。ホテルから死角になる塀の間際によって少し身を乗り出すとそこには海が迫ってきている。台風の多い紀伊半島では台風シーズンは波が中まで入ってくるのでしょうね。これ以上乗り出すとさすがに海のかなたの船から見えてしまいそうなのでやめておきます。
最後に一番上の湯につかります。ここは屋根もあり前方にも障害物があるので湯に浸かっている限りは外からみえないので安心してはいれます。
さて長湯をしてしまったのでMちゃんが待つ素敵な喫茶店へ向かうと喫茶店をまだ満喫しているとのことだったので外湯めぐり第二弾牟婁の湯へ。
牟婁の湯は崎の湯とは違い、きちんとした建物の中にあるので安心して入れます。しかし変わったところに建っているんです。崖の下です。というかトンネルの前というか。まあそんなんで景色はよくありません。
中に入るとなぜだか浴槽が二つに分かれています。何々「行幸湯」ふーんそうなんだ。と中にある看板を読んで「行幸湯」という看板がついていたほうが熱かったので反対側へ。だってまさか一つの温泉の中に二つの異なる源泉を引いているなんて思わないじゃないですか。ここは行幸湯と鉱湯というふたつの源泉を引いていたらしいのです。そんなこととは知らず片側にしか入ってこなかったのです。
5/4
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昨日が海開きだったのですが水着を持ってくるのを忘れたし人も多かったので今日は朝の 人の少ない時間を狙って水遊び。スカートを膝上までたくし上げ足を海に入れてみるとまだ まだかなり冷たい。こんな中でも海に浸かれる子供の体温て本当に温かいのですね。沖 縄に行ったことのない私には白浜の海でも十分にきれいでした。なによりこの浜の砂が白と いうのが海の色を明るく見せているのでしょうね。 |
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朝のビーチを堪能した後はやっぱり温泉でしょう。ビーチのすぐ近くにある白良湯へ。ここは外で券を買って中で番台の人に券を渡すのですが。おっさんじゃん。おもいっきり脱衣所のなか見えてるんじゃないの?さすがにためらいましたがもうお金払っちゃったので覚悟を決めるしかない。もう少しカーテンつけるとかしてくれよ。
二階にあるお風呂ということもありビーチが一望できます。青い海、白いビーチ。本当にここに来てよかったなーと幸せに浸っております。くる時にビーチから中が見えるのかと確認してきたけど見えそうになかったんでけっこう安心して入れて、かつ、開放的。