冬将軍到来 (2)
宮崎、熊本ツアー
12/29
阿蘇に向かいます。阿蘇へは国道325号をひたすら進んでいくだけなので道は簡単です。が、しかし、まさかこんなことが起こるとは予想しておりませんでした。
なんと雪。
高千穂の町を抜けたときから道の端にうっすらと雪。遠くの山も雪化粧。
トンネルを抜けるごとに雪が多くなり道路にも雪が残っているようになりました。
前の車の轍の跡をゆっくり進んでいると前に道路公団の車がなんと融雪剤を散布しているではないか。これは天の救いか!というわけでこの後ろなら安心だとトロトロ運転していたのにこの車大きな交差点でUターン。
「あ〜れ〜お待ちになって〜」
と叫んだがもちろん待ってくれることもなく。泣く泣く進んでいきましたが雪はさらに多くなり、空は今にも降り出しそう。
そして恐怖は口をあけて待っていた。トンネルを過ぎるとそこは下り坂だった。
もう我慢できない。チェーンをつけよう。と決まったのに、こんな時に限ってチェーン着脱場が見当たらない。その間に何本坂を下ったことか。
そしてこのとき私はあせった。
九州なんて雪降らないと思っていた私に旅行前にそれでもチェーンを積んどくように言ったMちゃん。はたして私は本当にチェーンを積んだのか。これで積んでいなかったらなんと言われることか。
やっと見つけた場所でトランクにチェーンが入っていることを確認した私はチェーン装着をMちゃんに託して写真撮影。
しかし一向に進まない。それもそのはず、「チェーンなんて絶対つけるこ とないから一番安いのでいいよね。保険保険」って買ったので簡単装着 そして静かなものじゃなく昔からあるスタンダードなものなんです。二人 ともチェーンなんて教習所以来でまったくわかりません。 なんとかつけ終えてひたすらのんびり下り続け、ふもとに着いたころに は精根尽き果てていました。 |
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高千穂から来た時の阿蘇の玄関口の高森の隣の白水村はいくつもの水源があることで知られております。そのなかで有名な白川水源。西日本で一番おいしいらしいです。もちろん名水百選にも選ばれております。とても行きたかったのですが疲れ果てた精神にはすでに早くホテルまでたどり着きたい。としか考えることができず却下されました。
![]() 奥の山並みが同じ高さなのわかり |
阿蘇山という山はないということを知っていますか?阿蘇は大昔大規模な 噴火があり地中のマグマを大量に吐き出しました。そうして地中が空洞に なってしまったため自らの重さに耐え切れず沈下しカルデラとなりました。 というわけで外輪山はみんな同じ高さになっているわけです。 その後カルデラ内には雨水がたまりましたが立野から水が流れ出しまし た。 |
その後も火山は活動を続け今の阿蘇五岳ができあがり、この外輪山と阿蘇五岳を総称して阿蘇山と呼ばれています。そして今でも活動を続ける中岳が有名です。
ここまで雪で大変な目にあった私たちはもう自分の車で行こうなんておろかな考えを捨てました。そうバスなら絶対安全運転だ。
阿蘇駅から阿蘇山西駅行きのバスは1〜2時間に一本なので乗り遅れないように注意しましょう。すぐに山間に入っていきます。雪は林の中まで降り積もっていました。池にも氷が張っています。しかしこんな寒さの中でも牛が数頭散歩しておりました。牛は寒くないのでしょうか。
40分ほどでバスは終着地点の阿蘇山西駅に着きます。
ここで朝からなにも食べていなかったので昼食に。郷土料理のだご汁をいただきまいた。だごとは団子のことですね。団子といっても肉団子でもなく、白玉でもなく小麦粉をねったグルテンの塊みたいなものを白味噌の味噌汁に入れたようなものです。
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ここからはロープウェーを使って山頂まで行けます。事前に山頂付近の ガスの状態を確認するとほとんど大丈夫そうなので乗りました。 山頂は想像以上の風で寒さも限界です。しかも駅周辺以外はすべて進 入禁止になっている。ぜ?と思っているとアナウンスが聞こえてくる。 |
「現在ガスが発生しております。進入禁止区域には入らないで下さい」だと?噴煙も雪雲と重なってどこから雲でどこまでが噴煙なのかわかりません。結局見れたものはおびただしい数の非難壕だけでした。
しかしこの非難壕も実際に噴火して火山弾などが降ってきてしまうと何の役にも立たないようです。
また噴火にも色々あるらしいです。地震を伴い前兆のある噴火、これは予測がつくようですが、地下水がマグマと触れ合って起こる水蒸気爆発は今でも予測がつかないようです。自然の恐ろしさを痛感します。
寒さに耐えかねてすぐ次の便で下りましたが行きと同じメンバーが見受けられます。みんな同じ思いだったのでしょう。「この往復820円は高かった」と。
思った以上に早く戻ってきてしまうとこんなためにわざわざここまで来たんかと悲しくなり、2つ手前にあった草千里のバス停の方がお土産売り場も多かったなと後悔します。しかし先にも話したようにバスの本数はかなり少ない。ここで30分待つか20分くらい外を歩くかと選択に迫られます。同じ選択で実際に歩いている人も見られましたがこれ以上寒い中歩いたら風邪を引いてしまいそうだと考えていたところ、たまたま別方面のバスを発見。草千里までは一緒でしかもあと5分で出発と知りこれはよかったと草千里まで乗っていきました。観光地なんだからもっと本数増やせよと言いたいところなんですが、なにせこのバスに乗ったのは我々二人だけ。大赤字(であろう)な阿蘇バスにそんなことは言えません。
![]() 本当は牧草地のはずなんですが |
草千里も以前は火口がありましたが今は牧草が茂り、夏には牛やら馬や らがのほほんとしているところなのですが、見る影もありません。火口湖に は氷が張り、牧草地は一面雪。草千里は雪千里でした。 しかたがない雪だるまでも作ろうと思ったのにここの雪は東海地方の雪と違いさらさらで雪だるまを作ることは出来ませんでした。 |
さてこのバス停には火山博物館があります。入場料が840円とけっこう高いのですが河口付近のライブ映像が見れるというので河口が見ることが出来なかった私としてはこのエサにつられて入ったのですが、なんてことはない。さっきのロープウェーの駅から移している映像しか見られません。その他阿蘇の成り立ち等説明してくれるのですが840円の価値はなかったと思います。