思えば初めから縁がなかったのかもしれない・・・。

今年の冬は高速バスで九州に行こうと発案したのは夏だった。しかし引越し等で忙しくふと気がつくと熊本までの高速バスの発売日から2日過ぎている!恐る恐るホームページを見ると、なんとすでに満席
新幹線で行くと予定が大幅に狂ってしまうし、飛行機で行くのはお金がかかる(私)、怖い(Mちゃん)と仲良く一致するし。そこで考え出されたのが「大阪からカーフェリーで行こう。朝に宮崎につけば最初の予定どおり行けるよ」ということになりました。

12/27
 11時東名豊田ICから乗り名神で大阪まで。しかし大阪の都市高速は怖い。入り組んでるし、渋滞して車線変更できないし、割り込んでくるし、高速の出口のおじさんいいかげんに道教えるし。文句たれながらも大阪南港に道も間違えずに3時に到着。しかし出航は7時半。周りは見渡す限り倉庫。今さら高速乗ってどこかへいくのも迷子になりそうなのでひたすら車の中でボーっとしてました。

6時ようやく乗船開始となったので船内に入ったのですがどうやら修学旅行生と重なったようです。2等雑魚寝を選んだ私たちとしては「奴らと一緒ということは夜中までうるさいんだろう」と覚悟ていたのに奴らは2等寝台へ向かっていくではありませんか。ということは社会人の私は修学旅行生より格下なんか!
いや待てよ、だいたいフェリーで行こうとしているあたりから修学旅行生に負けていないか。普通は飛行機でしょう。

12/28
 13時間の船の旅も終わり8時半宮崎港に入港。南国だからさぞや暖かいのだろうと思っていたのに、なんだいこの寒さは!でも貧乏旅行慣れした私は寒さなんかで自分の使命を忘れたりなんかしません。フェリーターミナルで無料の宮崎観光パンフレットをゲット。なにせ宮崎の地図一枚も持っていないので、ここで地図を手にいれなければ右も左もわからないんですよ。ははは。しかしこの無料パンフレットを侮ってはいけない。なにせその土地の観光協会が何とかしてうちに来てくれ(そしてお金を使ってくれ)という意思で作られているのでかなり使えます。しかもピンポイントなのでガイドブックに比べコンパクトで詳しいです。最近はネットで資料請求(だいたい送料無料)も出来る地域も多いので利用してみるとよいかもしれません。

さてここで今回の旅のメインの一つ高千穂について説明しましょう。高千穂は神話の世界と深い結びつきがあります。 
 遠い昔
イザナギイザナミという男女の神がおり、日本列島を作りました(国生み)。この国生みが終わると多くの神々を生み出しましたが、最後の神を生んだとき、妻のイザナミは死んでしまいました。悲しんだイザナギは黄泉へ妻を迎えに行きますが妻のあまりの変わり様に逃げ帰ってきてしまいました。帰ってきたイザナギが穢れを落とす為の(みそぎ)をしたことにより、多くの神が生まれました。その最後に生れたのが月読命(つくよみのみこと)須佐之男命(すさのおのみこと)天照大神(あまてらすおおみかみ)です。イザナギは3人にそれぞれの地を治めるように言いましたがアマテラスの治めている高天原(たかまがはら)に居着いたスサノオは乱暴ばかりする始末。あまりの乱暴に耐えかねて、アマテラスは天の岩戸に隠れてしまいます。そのため世界は暗黒になってしましました。なんとかアマテラスを岩戸から出す為に八百万(やおよろず)の神は天安河原(あめのやすがわら)にて相談をし、天鈿女命(あめのうずめのみこと)が岩戸の前で舞を舞い、アマテラスが顔を出した隙に手力雄命(たぢからおのみこと)が岩戸から引き出しました。こうしてこの世に再び光が戻りました。さてスサノオは高天原を追い出され下界に降りました。その血を引く六代目大国主命(おおくにぬしのみこと)のときアマテラスは国を譲るように説得しました(国譲り)がなかなか国を譲りません。結局強談判のすえ、大国主命は国譲りを受け入れ邇邇藝命(ににぎのみこと)が高天原より高千穂に降り立ちました(天孫降臨)。このニニギノコミコトの曾孫4人の中に御毛沼命(みけぬのみこと)伊波礼毘古命(いわれびこのみこと)がいました。伊波礼毘古命は九州では国を治めるのには端であると、九州を出て瀬戸内海沿いに各地を制圧していき、大和の地を全て平定すると、橿原に大宮を築いて即位しました。これが初代現人神、神武天皇です。

高千穂の町に入る手前に天岩戸神社というのがあります。
天照大神(あまてらすおおみかみ)が閉じこもってしまったという岩戸を御神体にしている神社です。ただし岩戸は川の向こうにあり拝殿のみこちら側にあるという変わった神社です。ただ受付でお願いすれば御神体を拝ませてもらえるようです。
近くに八百万の神が集まって相談した天安河原(あめのやすがわら)があります。奥行き25m、間口30mの洞窟の中にお社はあります。しかし私は洞窟の中に入るのを一瞬ためらってしまいました。洞窟の中は神域を侵すような、足元から何か冷たいものが這い上がってくるような恐ろしささえ感じられます。

 
 高千穂の市街地を通り越したところに高千穂峡はあります。

ボートに乗って両側が切り立った崖の川を少しさかのぼると真名井の滝を下から眺め

られます。しかしボートの漕ぎ方が慣れないうちに滝に着いてしまうので、突っ込んで

いかないよう十分注意してください。またすごく寒いので暖かい服装で行ってください。

というか冬に行くのはおすすめできません。

ボートが苦手な方は橋の上からも滝は見られます。

  

  ニニギノミコト等が主祭神の高千穂神社は毎夜、隣の神楽殿で観光者用に

夜神楽が行われます。 夜には神楽殿までの道にはかがり火がたかれます。

さて舞ってくれるのは天の岩戸を探す「手力雄の舞い」、天照大神を誘い出す「

鈿女の舞」、岩戸を取り除く「戸取りの舞」。そしてイザナギ、イザナミの「御神躰

の舞」が行われます。

私の中の神楽というもののイメージは洗練された舞だったのですが、もっと荒々

しく力強いものでした。

舞に使われる音楽ももちろん生なので、これで鑑賞料500円はかなり価値のあ

るものだと思います。
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冬将軍到来

宮崎、熊本ツアー