12日目(7月1日)マルカブ〜国境〜サリタシュ

 朝、起きると青空が広がっている、ここからは中国との国境にそびえる「ムスターグ・アダ」山が見えるとの事だったので、カメラを持って、外に出る、でも、肝心の方向には雲が掛かっていて見えなかった、・・・・残念、今日もくじ引きで乗る車が決まる、結果は・・・・・・・・2号車・何故?、Mさんも同じく2号車、どうしても1号車に乗る事が出来ない、二人で苦笑、

 1号車に乗る人が、変わってくれて、待望の1号車に私とMさんも乗る事が出来た、やはり、一番前の車は快適、砂埃を被らないのが良い、砂塵は無いけど・・・・・・・旧ソビエトが作ったバミールハイウェーを快適に走る、

バミールハイウェー チャチャクティ村 沿道の雪
 小さな村が山すそにある、チャチャクティの村、ここには軍の施設があると言う、ここからは中国と国境を接する様になる、沿道には雪が残っている、急に空が暗くなり、雨が・・・・・・・・いや雪が降ってきた、
雪が降る 沿道の風景
 道端には雪が残っている、標高は段々と高くなり、それに連れて気温も下がってくる、40度の灼熱地帯から0度の極寒へと、変化に富んだ土地を走っている、雪は直ぐに止んだ

 道の右手にはフェンスが張ってある、この地域は中国領でも、タジキスタン領でもない緩衝地帯、しかし、中国はタジキスタンの緩衝地帯を境界線として、フェンスを長い距離、作っている、その緩衝地帯に見張り台まで作っているとか、これが中国のやり方?
その間を、国境線とは無縁のテン(イタチの仲間)が走り回っている、
沿道の風景 テン 峠への道
 道の両側にはテンが顔を出したり、道路を横切ったり、その度に「テン、テン、テン」と車の中は大騒ぎ、カメラを構えるが、アッと言う間に穴の中へ・・・・・

アク・バイタル峠に到着、
アク・バイタル峠 標高4655メートル
 峠は寒く、道の周りには雪が残っている、ここからは雪を被った山々に手が届きそうに近い、でも、周りの山々は標高6000メートル級の山だろう・・・・こんな過酷な峠にも、良く見ると、小さな花々が咲いていたりする、
標高4665メートルに咲く花々
 10分ほど、峠で写真を撮ったりして過ごすが、皆は寒い、寒いと・・・・・・私は暑がりだから、あまり寒くは感じないけど・・峠を下っていく、その途中に素晴らしい景色、カメラストップ
広い大地にそびえる雪の山、真っ青な空 誰もいない、 時が止まっている
 広い荒野に立つ電柱だけが、不自然に写るのは・・・・・旅人の勝手な思いだろうか・・・・素晴らしい景色を堪能した後、車は段々と峠を下りていく、池には厚く氷が張り、この辺りには遊牧民のユントは見えない、しかし、草原になると廃屋がある、旧ソビエト時代の建物だろうか・・・・
ハイウェーを走る 凍った湖 廃屋
 延々とフェンスが続く脇では、小さな草花が咲き乱れている、この道を自転車で走っている人が居る、びっくり!!フランス人で、今日はこの先にあるカラクリ湖畔で泊まると言うが・・・・・あの峠を越えて来たのかと思うと・・・・凄いの一言
延々と続くフェンス 何処まで続くのだろう
 やがて、前方に雲の柱?が見えてきた、あの雲の柱が天に昇っている場所が、海抜3923メートル、一万年前に出来たと言う高山湖の「カラクリ湖」 カラは・・・・黒い、クリは・・・・・・湖、黒い湖、
自転車で行くフランス人 雲の柱? バミールの山々
 晴れていれば、青い湖も、曇っていると黒い湖に変わる、私たちはラッキーな事に、青い湖が見れそう・・・・前方に湖が見えているのになかなか近づかない、やがて家が見えてきた、ようやくカラクリ湖畔に到着、
カラクリ湖 バミールの山々
 カラクリ湖畔にはたくさんの白い家がある、写真を撮っていると、子供達が不思議そうに見ている、カラクリ湖の反対側には、相変わらすのフェンスがあり、その奥には白いバミールの山々が見える、

 カラクリ湖の湖畔に移動する・・・・・・が2号車と3号車が途中で止まっていて来ない、そして、2号車に乗った人達が歩いて、こちらの方へ・・・・・・・・何があったの????、2号車が勝手に荷物を降ろして、帰ってしまった!!!

 信じられない・・・・無責任と言うよりも、自分勝手・・・・・ガイドと添乗員はカンカンである、2台の車に分乗する事となる、
2号車から、1号車に替わってもらった私としては、肩身が狭い、気を取り直して湖の側で写真を撮る、
湖畔より望むカラクリ湖とバミールの山々
 湖の周りには塩が吹き出ている、こんな景色が良いのに・・・・・やぶ蚊の大群、のんびりと景色を楽しむ・・・とはいかない、12時40分、カラクリ湖畔にある民家で昼食、村の中心から離れた場所にある、中に入るとカラフルな部屋、若い娘さんや小さな子供も居る
村はずれの民家で昼食 民家の娘さん達 塩の中に咲く花 カラクリ湖畔
 食事は私達よりも一足先に出かけたシトラさん達が用意している、昼食はご飯、味噌汁、昆布の佃煮、昆布の佃煮があればお茶づけ、これが美味しい〜、昼食後はシトラさん達の車に2号車の人達が乗る、

 5分程走った所で車は止まる、広い荒野に石が並べてある?、これが「カラ・アート」遺跡、エッ・・・・・これ何?、子供が遊びで石を並べた様な遺跡、ガイドは「ナスカの地上絵」と言うが・・・・・・・・・どこが??
カラ・アート遺跡 ナスカの地上絵?もどき 乗ってきた車
 これが、紀元前8世紀、宇宙に対するサインとか、石が円形に並べられていて、円の中心がサカ族のお墓との説もある、今はまだ本格的な発掘調査は行われていないが、発掘調査が始まると、凄い発見があるかも知れない、

 後は国境に向かって走る、道の両側は素晴らしい景色が広がっているが、中国側のフェンスが何処までも続いている、これだけの距離をフェンスを張る労働力に・・・・・・・複雑、段々と登り坂になり、標高4150メートル、国境が近づいてきた、
国境の手前で写真を撮る、これが、今回の旅行のタジキスタンでの最後の風景
国境に続く道 タジキスタン、最後の風景
 2時45分、タジキスタンの国境、ここで現地の手配会社の社長が出迎えてくれる、これはびっくり、45分ほどの手続きの後、タジキスタンを出国、ガイドのムカデスさん、現地スタップのシトラさん、運転手の人達とここでお別れである、楽しい旅を有難う・・・

 待っていた車に乗る、今回の車は、今までの車よりも良いかな・・・・キルギスとタジキスタンの緩衝地帯を走る、緩衝地帯の最高地点「ギジルアート」で車を降りる、ここからは雪山が見えてすばらしい景色が広がる、緩衝地帯だから写真はダメかと思っていたらOKとの事、
緩衝地帯  ギシル・アート 標高4300メートル 緩衝地帯の峠から見る山々
 峠から下りていく、道の両側には沢山のテン、テンには国境は無いから、便利だろうなぁ〜、こんな高い場所で何を食べているだろう・・・・・なんて思いながら見ている、順調に走っている車が急に止まる、何だろう・・・・・・

 雪解け水が鉄砲水になり、土石流が道に流れ込み、道が土砂に埋まっている、車は立ち往生、ここは緩衝地帯の為に、携帯電話は通じなくて、新しく来たガイドが川を渡り、連絡の取れる場所まで歩いていく、私は車の中で泊まることを覚悟したが、・・・・・何と社長と一号車の運転手が、川に入り、土砂を取り除き始める、

 後ろから他の車も来て、乗っていた人達が次々と川に入り、土砂を取り除く、私は呆然と見ている、そして、空の車が川を渡りきる、思わす拍手・・・・・・そして、私たちは・・・・・・何と、1号車の運転手におんぶをされて川を渡る、
土砂崩れの現場 川を渡る おんぶされて
 重たかったと思うけど・・・・・最高に感激する、おんぶされたなんて・・・・・子供の頃以来である、感謝、感謝、今回の旅行で一番心に残る出来事、泥だらけになった社長を始め、皆さん、ご苦労様でした、

 再び、車に乗り、1時間ほど遅れた、途中で歩いているガイドを拾う、5時50分、キルギスの入国審査へ、1時間ほどかかり、無事にキルギスに入国、途中の景色の良いところでカメラストップ
山の綺麗なキルギスの風景
 やがて山から下りると、広い草原が広がる、道は真っ直ぐ、車は良いし、スピードが出るだろう・・・・・と思ったが、道路は穴ぼこばかり、穴を避けて通るので、タジキスタンの走りと大差は無い、むしろ、左右に動き、穴に入るとバウンドするので、乗り心地は悪い

 今夜の宿の「サリタッシュ」は緑の平原の中、周りを高い山々に囲まれた場所、夕日に赤く染まる雪山が見える、
高い山に囲まれた草原の町   サリタッシュ
 ようやく、サリタッシュの町に到着、今晩の宿の民家へ、一時はとうなるかと思ったが、無事に着いてよかった、民家は今までと同じように、トイレは野外、トイレの横には牛舎、牛達が見ている面白いトイレ、シャワーは無い、部屋は広い、夕食は広い縁側で食べる、長い旅路    少し疲れた、