10日目(6月29日) ランガール〜マルカブ

 朝、起きて外に出ると、少し曇っている、ランガール村はバミール川とワハーン川が合流する地点、標高は2810メートル、寒くなり、長袖のブラウスに上着を着る、

 今日の出発は早くて7時半、今回も2号車、くじ引きで乗っていく車を決めるが、もう一人のMさんと私が、どうしても、1号車に行けない、「呪われているだろうか?・・・・」と二人で首を傾げる、Mさんは3号車

 村の中心へ戻り、そこから山に登って行く、眼下にはアフガニスタンに通じる橋が見える、2年前までは、ここでバザールが開かれていたが、去年からは中止、もっとも、橋を渡れるのは現地の人だけ、今は監視所があり、自由には通行できない、

 2号車は相変わらず馬力が無くて、あえぎながら登る、道の下に建物の跡が見えてきた、「バザール・ダラ」シルクロード時代のバザールやキャラバンサライがあり、ソビエト時代に城壁として使用していたので、壊される事も無く、原型を留めている、ダラとは狭い場所を指す、
二つの国を結ぶ橋 バザール・ダラ  キャラバンサライやバザールの跡
 山の上に山羊などの家畜をつれて来ている人が多い、小さな子供を多く見るが、これは子供の仕事だとか・・・・・峠への登り道とは言え、平坦な道が続く、途中には滝があったりする、9時10分、川岸でトイレ休憩、標高3400メートル、これだけ標高が高くなると寒い、でも、砂埃は窓を閉めておけるので、入ってこなくなった、
峠に続く道 雪解け水が滝になる 標高3400メートルの地点
 所々に小さな湖があり、その周辺は白く成っている、これは塩、それともアルカリ性土壌?・・・・・段々とハルゴシュ峠が近づくに連れて、急坂がが多くなり、とうとう・・・・・2号車は坂を登れず!!!仕方なく、2号車に乗っていた花の女性3人組は車を降りる、降りた途端に、2号車はスイスイと坂を登って行く、  何よ〜あの車は・・・・・
あの上まで登れない 上りきった場所 沿道の花
 迎えに来た3号車に乗り、上に付く、再び2号車へ・・・・・それ以降、坂道を登るたびに、「登れるのかな〜」とつい身体に力が入り「頑張れ、頑張れ」と応援・・・・・・疲れる、日本では廃車の車でもここでは現役である、

 10時20分、ハルゴジュ峠(標高4344メートル)に到着、ハルゴジュとはロバの耳の意味、ここにはチックポイントがあり、パスポートを出してチックを受ける、従って写真撮影は禁止、無事に通過して、峠を下りていく、10時45分、チュルク・クルに着く、チュルク・・・・・深い、クル・・・・・・湖 深い湖である、
チュルク・クル     深い湖
 湖の側には白いものがある、これは塩、こんな環境でも花が咲いている、この湖には魚が居るの?居ても、これだけ標高が高いと、冷たい湖で小さな魚であろうか・・・・・・・ふと、気がつくと、アフガニスタンは遠くになっていた、湖から少し離れた場所で沢山花が咲いている、写真ストップ、
厳しい環境で咲く花々
 どの花も、冬の寒さに耐えるために、白い綿毛が生えていて、葉も厚い、砂地で沢山の種類の花たちを見ると、何時も、その、たくましさにびっくりする、
綿毛をかぶった植物
 やがて、月の世界?の様な景色が見えてきた、バミール高原に入った、12時、今まで未舗装の道路が舗装された道路に変わる
ワハーン渓谷に住むタジク族の世界から、バミール高原に住むキルギス族の世界に変わる、バミールハイウェーを少し走り、わき道へ入っていく、小高い丘からは、灰色の世界に湖が点在する景色、
月の世界?荒涼たる風景
 今までは緑の木々があるオアシスの村々を来たが、赤茶けた山々、湖の側の草原と、違った世界が始まる、車に乗り走り出すが、後ろの車が合図を・・・・・・・私達の乗っている2号車がガソリン漏れ・・・・・・・道路には点々とガソリンが・・・・・・どうなるの?何とか修理をして、走り出す、

 緑豊かな草原が見えてきた、草原の中に点在する湖、この場所はタジキスタンで一番寒い場所で冬にはマイナス36度にもなると言う、湖の側には気象観測所がある、

 ここを通り過ぎてから、又登り坂、何時エンストするかと、ヒヤヒヤしながら登る、何とか坂を上りきり高台へ、ここからは思わす歓声が上がるほど、素晴らしい景色が広がる、
ヤシル・クル(湖)
 周りを灰色の山に囲まれた紺碧の湖、ヤシルとはひすい色(緑)の意味、本当にきれい、標高は3900メートル、知らぬ間に富士山よりも高い位置に居るが、こんな場所に綺麗な湖がある事も驚き、夢中になって湖の写真を撮る、写真を撮った後、元来た道を引き返す、草原の側にある湖を見る、ブルン・クル
緑の草原にあるブルン・クル(湖) 遠くには気象観測所の建物
 ブルン・・・・とは馬の赤ちゃんを意味、遠くには気象観測所の建物、こんな雄大な場所で、一日中、のんびりと、花を探しながら過ごして見たい・・・・・・・と思う

 バミールハイウェーに戻り、舗装された道路を快適に走る、途中に湖が見えてきた、サシクル・クル
バミールハイウェー サシクル・クル(湖)
 サシクルとは臭い・・・臭い湖、キルギス人が狩をして、獲物を解体した際、贓物などを湖に捨てた為に、匂いがひどく、その名前が付いた、今は匂いも無く、綺麗な青い湖、

 道の両側には、バミール高原の風景が広がっている、広々とした大地、遠くには雪をかぶった山々、見ていて飽きない、こんな風景が好き、
沿道の風景
 2時半、ハイウェー沿いのユルタ(パオ)の一軒へ、今日の昼食は、このユンタの中で食べる、中は外観からは想像できないほど広い、何時もと同じようなカップラーメンなどの他に、魚のから揚げが出る、この魚、湖で取れた物だろうか?・・・美味しい、カップラーメンはロシア産、日本と同じような味、ヤクのヨーグルトにバターと種類は豊富、

 ここはハイウェーを走るトラック等の食事を提供する場所、家族で営んでいるのか・・・小さな子供も居る、
ユンタの子供 ロシア産、カップラーメン 魚のから揚げ
 ユンタの中にはテレビもあり、外にはパラボラアンテナがある、同じ様なユンタは点在していて、トラックが何台も列をなして、走っている、トラックの横の文字は中国語、キルギスを経て、タジキスタンに物資を運んでいるだろう・・・か・
パラボラアンテナのあるユンタ 遠くには沢山のトラックが止まっている
 キルギス人は日本人に良く似ているので、何となく親しみが湧く、ユンタの周りには広い草原が広がっている、3時20分、ユンタを後にして、バミールハイウェーを走る、2号車もハイウェーに入ってからは快適に走る、

 この道に入ると、対向車にも逢うようになり、沿道には牧畜を営むユンタを見る事が多くなる、
バミールハイウェー ユンタ 対向車に合う様になる、
 雲が厚くなってきた、渓谷の中に入り、また草原へと道は続く、4時、遊牧民を訪問、ユンタがあり、その横には大きなテント式の建物もある、3家族が住んでいて、家長を中心に、子供が4人、孫が10人、普通、遊牧民は夏の間は涼しい所でユンタで生活して9月になると、下に降りる生活だが、この家族は冬の間も、この場所で過ごすと言う、
子供たち ユンタの中
 小さな子供達が沢山居る、どの子も着ている物はカラフルで可愛い、チッキで写真を写して渡す、でも、今の時期に毛糸やフエルトなどの素材の服を着ている、日差しは強いが、朝晩は冷えそう・・・・
子供たちと写真を撮ったり、ユンタの中を見学したりして、30分ほどの時間を過ごす、

 再び、車に乗りハイウェーを走る、やがて、緑の平原の彼方に家が見えてきた、今日の宿のあるマルカブの町は直ぐ・・・・
マルガブの町・・・・・・・標高3580メートル、人口1800人、その内キルギス人1600人、主要産業は牧畜、町の名前のマルは光線、カブはカバン、入れ物、つまり光が集まる場所と呼ばれるほど、日差しのきつい所(添乗員の資料から)

 マルカブのゲストハウスに到着、中に入ると民家風ホテル?庭にはユンタがあり、部屋はベットの部屋と絨毯の部屋、シャワーも在り、トイレも簡易の洋式トイレ、夕食は7時半より、食堂?で食べる、

 食後はシャワーを浴びる、タンクからお湯を洗面器に入れて、水で薄めて使う、お湯はたっぷりあるので、さっぱりした、今晩か快適に寝れそう