11日目(7月17日)瑪多〜共和

 昨晩は雨が降った、雨が降ると気温が急に下がる、部屋にストーブが入っているので暖かいが、7月中旬でこの陽気、厳しい土地、今日でこの町ともお別れである、
招待所のトイレ、その側にいる黒いチベット犬、この犬はペットでは無い、厳しい顔の番犬である

チベット犬 招待所の野外トイレ 瑪多郊外

 8時にホテルを後にする、今回は車は替わり、メンバーも男性の2名の中の紅一点(少し色あせているが)・・・・・8時45分に4700メートルの峠を越える、
9時15分に花石峡の町へ、この町には6日前に来た分岐の町、

 この町は3方向に道が伸びている、2方向は行った、今度は始めての道に入って行く、
10時、坂道沿いにはブルーポピーの花が咲いている、この場所がプルーポピーの最後の観察地
車を止めて写真を撮る、

最後のブルーポピーの観察地 黄色の花咲く峠道

 ブルーポピーの咲いている近くには黄色の花が何処までも続いて咲いている、天気は曇り空
温泉の町を通過、ここの温泉は入浴する為では無くて洗濯用、雨が降り出した、
11時、4400メートルの峠を越えるが雨と霧の為に何も見えず、

 峠から下りても雨は激しくなる、未舗装の道は砂塵は無くなったが、ドロドロの道に変わる、この泥道では滑って立ち往生する車が出る、大型トラックが反対車線で立ち往生していると、大きく迂回をして走る事になり時間がかかる、

 2時、今日の昼食場所のヘカの町に到着、この町は道路の横にドブがあり匂いが凄い、その周辺ではゴミが散乱している、この町の食堂で食事、甘いお茶が出る、そしてうどん風、

 食事をしていると添乗員が来て「今、この町の公安(警察)が来て「黄河流域に伝染病が流行している黄河の上流から来たのでスーツケースの中に動物が入っていないか検査する」と言っているので食事の後スーツケースを空けて下さい」と・・・・・・・・・

 スーツケースの中に動物??・・・・・・どんな動物をいれたと言うの?????
食後、車の側で検査を待つ、しかし、検査員が席を外している・・・・・とかで一向に検査が始まらない、
何時まで待たせる気・・・・・・・

 急に添乗員が「全員車に乗って・・・・」そのまま町を後にする、何だ、これは?????・・・
警察官のワイロ欲しさの行為、いくばくかの金額を渡すと開放される、今までの旅行先でも同じような事はあったが、・・・・・・汚い町の汚い警察官達・・・・・・・

 後日、添乗員から今までも同じような行為はあったと聞かされる、公安に呼ばれて質問され、食事代を要求されたりと・・・・・・・・・・・私達はのんびり食事をしている影でこんな苦労が在ったとは・・・・
秘境や僻地の旅行には目に見えない苦労がある、この事を認識してわがままを言わないでおこう、

 四輪駆動車6台を連ねて走るのは、小さな町では凄く目立つ事のようだ、
町を出ると砂漠地帯になる、青々とした草原は姿を消し、草も少ししか生えていない場所が地平線まで続いている、

砂漠地帯 砂漠に咲く小さな花

 砂漠と言ってもゴビ砂漠とは違い草が多い、しかし、今までの草原とは違い生えている植物の種類は少ないようだ、それでも小さな花が咲いている、

 道は砂塵がひどくなり、前方が見えない、道もデコボコ道、
急に・・・・目の前に反対車線から来た車が・・・・・・・「危ない」急ブレーキがかけ、辛うじて止る・・・・・
相手の車との距離50センチ・・・・・・直ぐに後ろで急ブレーキの音、後ろの車との距離も50センチほど
あやうく前で正面衝突、後ろからは追突されそう・・・・・・・・・・心臓に悪い・・・・・

 ようやく走り出した途端にまた乗っている車が止まる?????パンク!
どうして私の乗っている車はパンクするのだ、・・それほど重たい体とは思えないのに・・・・
前から2台目の車の為に、他の運転手が手伝ってアッと言う間に交換、前回の時は・・・・大変だったのに・・・・この違いは・・・・

 砂漠地帯の道を延々と進む、雨は止み、少し青空が見えてきた、やがて大きな木々が見え、畑には菜の花が咲いている、共和の町に入った。

共和の町の郊外 日干しレンガ作りの家

 何も無い砂漠地帯から人家も見えてきた、この辺りは雨が少ないのであろうか、日干しレンガで作った家が目に付くようになる、

 車はこの町を離れてわき道に入って行く、町から離れるにつれて砂漠地帯が広がっている、ここ共和の町は砂漠の中のオアシスの町、5時、ゲルク派のチベット寺院「チャムル・コンパ」に到着、
1600年代の初頭に完成、文化大革命のおり破壊されて1981年に修復、

 現在150名の僧が修行中、内部には黄色の帽子を被り、肩には経文を背負ったゲルク派の開祖「ツォンカパ」の像がある、見学している私たちの側をいろいろな年代の坊さん達が見ている、
まだ10歳前後の子供達も居る、内部も外も写真撮影は禁止

 こんな小さな子供達も・・・・・・何時からお寺で修行をしているかとガイドに聞いてみる、
チベット仏教のゲルク派は4宗派の中で一番戒律が厳しくて、3歳になると男の子は出家すると言う、
3歳では自分の意志も無く、親によって一生を決められてしまう

 彼らが年頃になり、自分の人生に疑問を持たないのだろうか?妻帯が禁じられているゲルク派では異性に恋をすることも無く、一生を仏と共に歩む生活・・・・・・・・ガイドの話ではお坊さんを辞めた人は聞いた事は無いと言う・・・・・・・・・・価値観が私たちとは違う、それだけ宗教が生活の一部になっている・・・

 帰るために車に乗る私たちを、はにかみながら見送ってくれる少年僧、
こんな辺鄙な所で暮らしていたら、たまの見学者が珍しいのだろうか・・・・・・手を振って別れる、

 来た道を引き返して、共和の町の中へ、久しぶりの大きな町、市場があり、沢山の人々
6時、ホテルに到着、夕食はホテルの敷地ないにあるレストランで食べる
標高も2850メートルに下がり、ようやくお酒類が解禁になり、今日はお酒を飲む人が多い

広〜いシャワールーム? サンザシの実?・・かな

 ホテルの庭に梅に良く似た実をつけた木がある、梅とは葉が違うが「サンザシの実」に良く似ていると言われたが・・・・・何だろう・・・・・・
大きなホテルの割には、部屋のシャワールームは広すぎて落ち着かず、バスタブがあったのを取り外した場所かな・・・・・