10日目(7月16日)瑪多滞在

 再び4300メートルの世界、しかし、ここに来るのは2度目、体の方も順応したのか頭痛も無く良く寝た、部屋は2階、先回と同じ招待所、ホテルを8時に出発、添乗員を除いた私と男性が車を移動、1号車になる、今日はガイドのOさんと同じ車、ラッキー、いい機会質問攻めにしよう・・・・・・・・と

 瑪多の郊外に出ると、沢山の新しいマンション?が出来ている、このマンションは黄河流域で放牧が禁止になり、遊牧民が政府からお金を貰って放牧を止めてここに住んで居るとの事、
そう言えば、テレビでも黄河流域の土砂が流失して問題になっていると放送していた、環境が悪くなって来ている、

 道は広い草原地帯を走る、道路は未舗装、従って今日も砂塵が舞うが先頭車の特権・・・・・前が見えなくなるような事は無い、遥かに雪を被った山々が見える、広い草原には野生のヤギが2〜3頭、歩いているのが見える、一見すると鹿に良く似ている・・・・・が・・・・野生のヤギは捕獲して家で飼ったとしても直ぐに死んでしまうと言う

 1時間ほど走ると湖が見えてきた、これはダム湖、ガイドのOさんの話によると、ダム計画があったが黄河の水がだんだんと少なくなった為に中止になったとか・・・でも凄く広いダム湖である、

草原の果てには雪を被った山々が見える 建設中止になったダム湖

 10時、ゴリンツォ湖で車を降りる、チベット語で「曙の空のような青色」の意味、標高4271メートル、直径30キロ四方の湖、広い、水の色もきれい、平たい石があるので早速子供の頃を思い出して石投げ
同じように運転手たちも競って石を投げている、中国でも同じような事をして遊んでいる・・・・・・のか、

 この湖に魚は居ないの?・・・・と聞いたら、昔はたくさん居たが乱獲により激減、その為に今では政府がこの湖を禁漁としていると言う、

 再び車に乗り、湖の奥を目指す、20分程走った所で写真ストップ、小高い丘から見る湖の色は・・・・・

ゴリンツォ湖   この場所で転倒

 言葉に出来ない美しさ・・・・・・、あまり景色が素晴らしいので運転手の人達をチッキで写す、ガイドのOさんを写そうと思い、場所を移動するが・・・・・・・石に靴を引っ掛けて転倒、
皆が慌てて抱き起こしてくれるが・・・・・・びっくりするやら、恥ずかしいやら・・・・・こんな所で転倒するとは・・・・・・・やはり年と共に運動神経も衰えてきたのだろうか・・・・・・・・ショック

 この辺りに来ると人工の物は何もない、ガイドの話によると一時期この地をリゾート地として開発する計画があったが、住んで居るチベット族が反対して実現しなかったとか、今は道路も狭くて四輪駆動車しか入る事が出来ないが、道路を広くして整備すれば観光バスが入るようになり、周囲の環境が悪くなるそれと中国人はゴミを散らかしていく、

 「もう少し、公衆道徳が身につけばよいけど」ガイドのOさんの弁
今回はガイドのOさんと同じ車、私が質問攻めにするのでOさんも大変、日本語ばかり話していたらOさんも、疲れるかな・・・・・・

 やがてチベット寺院が見えてきた、この寺院の横を通り山の頂上を目指して車はジグザグに上り始める、11時40分、標高4900メートル、黄河源頭記念碑のある場所に付く
ここからはゴリンツォ湖ともう1つ西の湖「チャリンツオ湖」が見える、ここは黄河の源流部である、

 素晴らしい天気の中で360度の展望を楽しむ、ここからあの大河「黄河」が始まったかと思うと感無量

4900メートルの山から360度の展望を楽しむ

 この頂上へ私たちの車を追って登ってきた男の子が居る、何時も車が来ると登ってきている子で有名人、ただ耳が聞こえない、しかし、とても人なつっこくて、チッキで写真を撮って渡すと、とても喜んで身振りで色々と話そうとしている、
学校へは行って居るようには思えないが・・・・・頭も悪くないし・・・適切な教育を受けたらこの子の世界も広がるだろうに・・・・・残念だ

 展望を楽しんだ後は車で下りるが、ブルーポピーが咲いているので下車、ここから歩いて下りて行く人と車で下りる人に分かれる、私は転んで肩を打ったので大事を取って車で下りる、
車はジグザグの道を外れて、道無き草原を直線に下り始めた、

 お寺のある所で車を停めて、歩いてくる人を待つ、その間、ガイドのOさんが用事で居ない時、中年の女性が私たちの所に来て凄い勢いで怒り始めた、??何を言っているの???????
ようやくガイドのOさんが戻ってきて通訳

 Oさんの話によると「私たちが登った記念碑のある山は地元に人達の霊山、決められた道を通るのは良いが勝手に草原の中に入って車を走らせた」と言って怒っているとの事
「では、どうするのか?」結論の出ないまま、湖の側へ移動しようと出発する・・・・・とオートバイに乗った男性、棒を持った坊さん、等などが追っかけてくる、

 湖の側で止る、ガイド、添乗員、運転手と坊さんたちとの話し合いが始まる・・・・・私達は車の中で「坊さんだから棒を持っている」なんて駄洒落をいっていたが、事態は深刻、運転手達と坊さん達が激しくやりあうようになる、

 どうなるかと思って心配してたら、急に坊さんたちとにこやかに握手、???如何したの???
添乗員がお詫びにとお布施100元出した途端に和解、「ごめんなさい」だけでは無理だったようだ、
この僻地、檀家となる人も少ないだろう・・・・・お寺を維持していくのも大変だろうし・・・・・仕方がないかやり方が少しひどいが・・・・・・・・・この解決方法に運転手は不満みたいだった

黄河記念碑山の有名人かな? 100元寄付?したお寺

 ようやく無事に解決したので、湖の側で昼食、
空は青く、湖も青く、空気は澄み、広々とした草原に座って食べる食事の美味しい事、
キウリを丸かじりし、広い草原に寝転び・・・・・・・・・これぞ大自然・・

 昼食後、帰路に付くが途中小さな川を渡る、ここから高原ハイキング、
車を降りて湖に沿って歩き始める、湖の水は澄んでいてとても綺麗、
この湖で泳ぐ事は出来ないの・・・・・・・・湖の水が冷たくて泳げないと言われた、
そう言えば、ここは標高4300m、こんな高所で泳ぐ人はいないだろう・・・・

 湖の側には花々が咲き乱れ、草原ネズミが走り回り、ネズミと同じように穴の中から出てきた鳥が
低空飛行で飛び回っている、のどかな風景・・・

川を渡り 湖の側の草原を歩く

 歩いていると日差しが強いので暑くなるが、高度を意識する事は無くなった、30分ほど歩いて車に乗る、青空トイレの時に草原ネズミをそっ〜と観察してみる、穴からのぞいている様子は何度見ても本当に可愛い
帰り道、後ろを振り返ると黒い雲が・・・・・・・夕立がくるような天気になる、

 6時、瑪多の村外れに黄河に橋が掛かっている場所に付く、小さな小川・・・・・これがあの大河の始まりになる川、・・・・空は暗く風が強くなって来た、ゴロゴロと雷も鳴り出す、
この近くにある、星星湖に行くが・・・・天気は益々悪くなり雨が降り出した、早々に車に避難

穴から顔を出す草原ネズミ 黄河にかかる橋

 ホテルに帰り7時半にホテルの前の食堂に向かう頃には雨は止んでいる
今日の夕食は添乗員が日本から持ってきたソーメン、高所の為に圧力釜で茹でたと言う
現地の食事に少し飽きて来ていたので、久しぶりのソーメンは美味しかった、