7日目(4月8日) テンプー〜プナカ〜ウォンディポダン  
 
 今日行くプナカはテンプーよりも標高が1000メートル低い、暑くなりそう・・・・・・7時45分に出発、テンプーの中心街を離れていく、丁度、通学時間帯の為か、子供達歩いている、ブータンの学校は8時半より3時半まで、土曜日は半日、夏休みは7月中旬に二週間、冬休みは1ヶ月半、正月は2月中旬、

 郊外に出ると、軍の施設がある、ブータンには徴兵制度は無くて、志願して入る、18歳から10年間の期間を軍隊で過ごす、現在国民66万人の内、5000人が軍関係者・・・・・ガイドの説明が続く、やがて、山の上に登るに連れて、テンプーの郊外が見えてくるが、ここでも建設ラッシュ、新しいビルが建設中、山の上に「シムトカ・ゾン」が見えてきた、
テンプー郊外 シムトカ・ゾン
 シムトカ・ゾン・・・・・・ブータン建国の父「シャブドゥン」はプータン統一に当たって、最初にこの場所にゾンを建てた、完成後、西ブータンにおけるドゥク派の拠点として重要な役割を果たす、1961年に3代国王が近代的教育制度で、伝統的な学問を教える教師をこのゾンで養成する、その後、養成所は移転するが、伝統文化の総本山としての役割を果たしている、プータン最古のゾン、現在、外国人には公開されていない、

 道端でバスを止めて写真を撮る、バスはだんだんと山の上に登っていく、少し霧が出てきた、9時20分、林の中にはリンゴの花が咲いている村へ・・・・・・・ここは「チベット難民の村」 チベット動乱の時に、ここまで逃れてきて移り住んでいる、果物などを栽培していて沿道にはリンゴや梨などを売っている、
道端に並ぶリンゴや梨 出合った子供達 沿道の村
 リンゴや梨などは、収穫の時期ではないのか・・・高い、添乗員が梨を買う、写真を撮っていると、キラを着た小学生が通りかかる、素朴な感じの子供達、日本の50年前の頃の子供かな〜・・・・・・・・「私の子供の頃はこんな感じ・・・・」と言ったけど、誰も信じては居なかった、まぁ〜50年後がこれではね!・・・・・・・

 山の上に登るに連れて、段々と霧が濃くなってくる、9時45分、ドチュ・ラに到着、ラとは峠の意味、ドチュ峠(標高3150メートル)峠には108個の仏塔がある、その仏塔の周辺をバスは右回りに3回回る、
ドチュ峠 3150メートル ドチュ峠にある108個の仏塔 カフェへの石段
 バスを降りて外に出るが寒い〜・・・・・遥か遠くにヒマラヤが見えるが、雲が多い、峠を下りて直ぐの所にカフェがあるので、そこで休憩をする、ここからも遥か遠くに雪を被ったブータンヒマラヤの峰
カフェから見るブータンヒマラヤのマサガン山(7194メートル)
 一番高いのはマガサン山、雲の切れ目から、何とか見えた、峠の下には白いコブシの花が沢山咲いている、20分程の休憩後、バスは山を下りていく、標高が下がるに従って、亜熱帯地帯になるのか、沿道には大きなシダ類が多くなる、山の斜面を切り開いた段々畑も広がっている、

 田園が広がるロベサ村に入ると、沿道にはバナナの木がある、
ロベサ村の田園風景 遠く丘の上に、チミ・ラカンが見える
 谷間に広がる田園風景、途中でバスを止めて写真を撮る、人家の向こうの小高い丘に建つのが「チミ・ラカン」 チミ・ラカンまでは車では行けないので、途中の人家のある場所に車を停める、歩き始めるが・・・・・急に暑くなった、人家の壁にはポー(男根)(豊穣と幸福)鹿と法輪(仏教が広がる事)宝瓶(長寿や繁栄をもたらす甘露の入った容器)などの絵が描いてある、
家の壁に描かれた吉祥紋 麦畑 チミ・ラカンへ
 畑の横のあぜ道を歩く、畑には麦が植えてある、畑を通り過ぎると、人家はあるが、半分が廃屋になっている、ここから坂を登り始めるが・・・・・・・暑くてフウフウ言いながら登っていく、先頭を言った人達は、もうチミ・ラカンに付いている様子、周りにはサボテンが生え、赤いブラシュの花が雪山に映える、ようやく、チミ・ラカンの門に到着、大きな菩提樹の木がある、
チミ・ラカンへの登り道 門と菩提樹 睡蓮
 門の側には小さな池があり、睡蓮の花が咲いている、菩提樹の木の下で、先頭集団は休憩をしている、全員が揃った所でチミ・ラカンの中に入っていく、
チミ・ラカン チミ・ラカンから見る
チミ・ラカン・・・・・プータンの建国以前に、ドゥク派の僧によって建設される、風狂の聖人「ドゥクパ・クンレイ」のゆかりの寺で「子宝の寺」として有名、

ドゥクパ・クレイン・・・・奇行で知られたドゥク派の聖人で、チベットで生まれ、ブータンを旅して各地に伝説が残っている、教義主義的な仏教の教えに反発し、それを否定する為に性的な戒律を破った、今で言うプレーボーイ、女性達と浮名を流し、民衆の俗説や伝承の中で活躍する、

 本堂の中には、ドゥクパ・クレイン、シャブドン(ブータンを統一した人)バドバサンババの仏が安置され、周りの壁画には、ドゥクパ・クレインの逸話が描かれている、
プレーボーイが本尊で子宝の寺・・・・とは、何人子供を作ったのだろうか・・・・・又、この寺の場所が女性の乳の形に似ていることも一因との事

 温度は30度に近い、日差しも強く、歩いているだけで汗びっしょり、来た道を戻ってバスに帰る、お腹も空いて、フラフラ
建設中の家を見る、凄く大きな家、いくら位、掛かるだろう・・・バスに乗り、昼食のレストランへ・・・・・
建設中の家  ロベザ村 レストランの前に寺院 昼食
 食事を終えてホッとする、ガイドやドライバーは別に作った料理を食べているので、ツアーの人が少し食べさせて貰っていたが、とても辛くて食べれない・・・・・・との感想、道端で買った梨が出る、甘さは・・・・・・・まぁまぁかな〜

 昼食後は川沿いの道を走る、やがて、川の合流点に大きなゾンが建っている、これがプナカ・ゾン、全体の写真が写る場所で写真タイム、欧米人の団体も同じように写真を写している、
川沿いの道を走る プナカ・ゾン 屋根つきの橋
プナカ・ゾン・・・・ ポ・チュ(父川)とモ・チュ(母川)の合流地点には建っている、1955年テンプーが通年首都になる間、プナカは冬の首都であり、第一回国会もここで開かれたが、現在はシュケンポ(大僧正)と僧侶達が冬の間、プナカで過ごす、ここは川の合流点に当たる為に、水害などの被害に見舞われ、1944年の大水害にはゾンの中まで水が来て、橋も流された、

 ゾンの側にあった刑務所も流されて、囚人100人が亡くなったとの事、再びバスに乗り、駐車場でバスを下りる、
プナカ・ゾン     駐車場から
 川に架かる屋根つきの橋を渡る、もうここからは神聖な場所、帽子を取り、襟付きの服を着て中に入っていく、目の前に、急な階段が・・・・・3つに区切ってあり、西プータン、中央ブータン、東プータンと分かれている、真ん中の階段を登る、門の壁画が綺麗、
プナカ・ゾンの入り口 壁画 12支の壁画
 老人が水差しを持っている壁画は長寿のシンボルで水は恵み、木は生長と繁栄、岩は安定、鹿は平和と協調、鳥は自由のシンボル、12支の壁画がある、日本と同じ干支でそれぞれの干支には特徴がある、私の干支を聞いたら・・・・・・・・・余り良い特徴ではなかったので、忘れる事にしよう〜・・・・・・・

 門を入り中庭へ、ここにも大きな菩提樹、歴代のシャブドン(大僧正)のミイラが眠るマチュ・ラカン、ここは国王とシャブドンだけが見ることを許される、入り口には警備をして人がいる、
中庭の菩提樹 プナカ・ゾン  シャブドンが眠るマチュ・ラカン
 狭い通路を通ってウゼ(本堂)へ、本堂では法要が行われている、沢山の僧がいる本堂に小さくなって・・・入る、真ん中には釈迦侶来像、左がバドマサンババ、右がシャブドン、壁画には釈迦の一生が描かれている、お経を聞いていると、真言「オムマニペメフム)だけを唱えている、

 これは観音菩薩を頭の中に描き、救済を求めているとの事、そして、その僧達にお金を渡している僧、???葬式や法要でお金が入った時に、僧達にお小遣い?として渡しているらしい・・・・・・・・
 このプナカ・ゾンは中も外も装飾が綺麗、ここでは王様の結婚式も行われると言う、

 1時間ほど、見学した後、急な階段を下りて、バスに戻る、ガイドのパルダンさんは、この近くの学校を出ていて、一年間先生をした後、母親を連れてプータン国内全部を旅行に連れていったとの事、すごい親孝行・・・・・・・我が家では・・・・無理だろうなぁ〜・・さすが、仏教の教えが根付いている国

 バスは再び、来た道を戻っていく、川に沿って走ると高台に「ウオンディボタン・ゾン」が建っている、橋の麓にはチックポイントがあり、ここでチックを受けた後、橋を渡り上に登る、上に行くと山の斜面に張り付くように、小さな店が並んでいる、その一角にゾンがある、風が強い、
橋の側から見るウオディボタン・ゾン ゾンの中庭
 ゾンへ入り口には、ブラシュの赤い花が咲いている、ここはテンプーよりも1000メートル低い、亜熱帯で咲いている植物も違う、中庭に入る、一番高い建物はウゼ(本堂)風が強いのであろうか・・・・・・屋根には沢山の石が乗っている、

 中庭には沢山のニワトリがいて、雄鶏がけたたましく鳴いている!!何故、こんなにニワトリが多いのかと聞いたら、殺生を嫌う住民達が、雄鶏や年老いたニワトリをお寺に持ってくると言う、確かにこの国には沢山の動物がいる、犬などはほとんどが野良犬みたいだが、私達を見ても鳴きもしないで、知らん顔・・・・・・

 各自で飼うこともしなく、殆どが野良犬化している様子だが、住民は食べ物を与え、いじめもしない、犬も警戒する事も無く、鳴く必要も無いかも・・・・・・・・のんびりと歩いている犬を見ていると、過保護すぎる日本の犬に比べて・・・どちらが幸せだろ?
ニワトリが居る中庭 ウゼ(本殿)へ ウゼの入り口
 プナカ・ゾンの華やかな装飾を見た後だけに、このウオディボタン・ゾンは、装飾も無く、質素な感じのゾンであるが、中のお坊さん達は、とても人懐っこい、ウゼの屋根の下には、守護神の骸骨が描かれているが、何となくユーモラス
お坊さん達 守護神 リンチェンガル村
 ウゼの中には入ることは出来なかったが、お坊さん、今は自由時間?なのか・・・皆でお喋りしたりしている、ゾンを見学した後、バスに乗る、対岸には、このゾンを建設する為に、インドから移住してきた人の子孫が暮らすリンチェンガル村が見える、バスは狭いウオンディボタンの中心地を走る、狭い場所の両側にはお土産店や日用品を売っている店が多い、
ウオンディボタンの町 仏塔 サボテンの花
 しかし、この場所は危険の為に移転が決まって居ると言う、でも、ゾンに頼っている店などは、ゾンから離れたら商売にならないだろうなぁ〜・・・・・・・でも、対岸からウオンディボタンの町を見てビックリ!!崖の上に家が建っていて、今にも落ちそう・・・・これでは移転は仕方が無いと思った、

 対岸の川の側には仏塔が建っているので、バスを下りる、仏塔の側にはサボテン、沢山の実が成っている、この実は家畜の餌にするとの事、これで、今日の観光は終り、バスは元来た道を戻っていく、途中で山の上に登っていく、

 今日のホテルはチミ・ラカンを遠望できるホテル、庭にはバナナの木や熱帯の花々が植えてある、部屋は一階、外から見えるのでカーテンを引いたら!!・・・・・カーテンレールごと落ちてきた・・・・・・、ホテルの人が直ぐに直してくれたけど・・・・ビックリした

 夕食にはスープに川海苔が入っていた、部屋はシングルルームで今までで、一番狭い、今日も良く歩いたので、足が痛く、疲れた