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 今日も暑くなりそうです。奈良と言えば奈良の大仏です。昨日見た南大門から入りますが仁王像は夜のライトアップのもとで見たほうがより印象に残ります。

 売店のおばちゃんが余所見をした隙に鹿せんべいが入っていると思われるダンボールを食

い荒らす凶暴な鹿の群れの中大仏殿に向かわずに二月堂、三月堂へ向かうため坂を登りま

す。

お水取りで有名な二月堂ですが私の第一の目的は国宝が多数保管されている三月堂。なかでも本尊の不空羂索観音像とその両脇の日光、月光仏像です。高校の日本史の教科書に載っていて見惚れた覚えがあります。そのときの教師の説明では8本(?)の手の一つには衆生を救うために綱が握られている」と説明がありました。その後高校の修学旅行で行ったときもちろんここに訪れましたがあのころとはまた違った悩みやストレスを抱えた体はこの観音像を拝みたくなったのです。その両脇の日光、月光仏は静かな優しさで心を癒し活力を与えてくれるそんな印象が残っていたのです。しかし私の願いは無情にもたった一枚の障子が遮ってくれたのです(ToT)/~~~なぜか三月堂がしまっている。確かにあの仏像たちはこの中にいたと思ったのに。高校生の頃の記憶は間違っていたの?

 恨めしげに三月堂を見つめながら隣接する二月堂に行きます。真冬に松明を掲げる二月堂

のお水取りの光景は誰しも一度はニュースなどで見ているかと思いますが本来どのような行

事か今回はじめて知りました。「名前から想像すると松明で霜が降りないようにするのか?で

もただでさえ乾燥しているのに火事になりそう」とすごく勘違いしてました。

お水取りは旧暦の二月に修する法会ということで本来は修二会(しゅにえ)と呼びます。若狭井という井戸から観音様にお供えする「お香水(こうずい)」を汲み上げる儀式が行われます。この行を修める練行衆(れんぎょうしゅう)の道灯りとして大きな松明に火がともされます。このため修二会はお水取りと呼ばれるそうです。

 今はそんな季節でもないので山の風に地上の暑さからひととき開放さた人々が大仏殿の向

こうに広がる奈良の町並みを見下ろしています。
 大仏殿の大きさにはやはり当時の権力者の力を見せ付けられます。大仏殿は世界最大の

木造建築です。聖武天皇が疫病の流行る世間を思って作られたようですが、結局すぐに都を

移してしまわれます。

石上(いそのかみ)神宮行くか?ネットで見てたら何かで人気ナンバー1になってたぞ」
 ナンバー1という言葉に弱いMちゃんにはたまらない魅力だったようで珍しく自分から行きたいところを提案してきました。
 石上神宮は奈良市のとなり天理市にあります。天理市に行ったことがある人なら誰でも目にしていると思います。天理市の名前の由来にもなったという天理教総本部。宿泊施設や学校もあると聞いていたけどこれほどまでかとどこまで続くのかわからない天理教の建物のなかを道間違ってないよなとかなり心配しながら進んでいくと石上神宮はありました。

 石上神宮は宗神天皇のときの創始で日本最古と言われています。
 神武天皇の東征の折、熊野で土地神の毒気にあたり、兵がみな倒れてしまった。しかし高倉下という者が現れて神剣布都御魂(ふつのみたま)を献じたところ全員回復したという剣とその霊威を祀っている布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)、死者をも生き返らすことができると言われる天璽瑞宝十種(あまつしるしみずだからのとくさ)の霊威を祀る布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)素戔嗚尊(すさのおのみこと)がやまたのおろちを退治した十拳剣(とつかのつるぎ)の霊威を祀る布都斯魂大神(ふつしみたまのおおきみ)が石上神宮の御祭神です。
 石上神宮は本来本殿はなく、拝殿の裏の禁足地を遥拝していましたが、明治初頭、禁足地をを発掘したところ剣一振りと多数の勾玉が出土した。その剣、素鐶頭太刀(そかんとうのたち)を布都御魂として本殿を造りそこに祀られるようになった。現在も本殿とその裏の禁足地は立ち入ることができません。
 また百済王が倭王に献じたという説のある国宝七支刀(ななつさやのたち)もあります。

 着いてみるとそこに着くまでの天理教の規模の大きさに圧倒された後なのでひっそりとした

という感じを受けます。

 しかし何がナンバー1なんでしょうか?私のようにマニアックな人にはその神聖に心惹かれ

るのですが。

 楼門をくぐり拝殿に行こうすると中で結婚式をやっているではありませんか。他に参拝客も

あまりいないのでじろじろ見るのも失礼かと垣間見ただけなのですが、このように山に分け

入って古木に囲まれる静かなところで結婚式とはなんてセンスのいい人なんだろうと思うの

は主流が教会式の現代っ子としてはかなり的外れなのでしょう。


 結局何がナンバー1かもわからず、参拝することもできなかったわけですがいいものを見せ

ていただきました。その喜びをこちらにもおすそ分けしていただきたいものです。

さてこんなわけでミステリーツアーは終わりを迎えます。帰りの道中記憶がないのは言わずもがなですね。






ミステリーツアー(2)

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