12日目(6月16日)博楽〜伊寧(イーニン)

 夕べの雨は止んで、今日は快晴、朝食の時に珍しく日本人のツアーに逢う、大坂から来たグループで「考古学ツアー」の人達、私達とは逆周りで観光している様子、しばし話をする、
8時、ホテル出発、一昨日通った道を引き返し、清河から高速道に入る、
バスの窓からは雪山が・・・・・・・・・・・アラトウ山脈、

高速道から見るアラトウ山脈 荒野が続く

 バスの左手には天山山脈、右手には岩山と荒野が続いている、やがて右手にも草原が広がり、雪山が見えてきた、ここで写真ストップ、バスを降りると・・・・寒い〜・・・震え上がる
標高2000メートル、周りには雪を被った山々、寒いのは当然だが・・・・・・

草原の彼方・・・天山山脈 羊の遊牧

 広い、何処までも続く草原の向こうには天山山脈が連なっている、遠くにはカザフ族の住居が見えるが、他には何にも無い・・・・・・・

 バスに乗り、少し行くと・・・・・青い湖が見える、これが待望のセリム湖
セリム湖・・・・・・・・・海抜2073メートルにある淡水湖、この湖の広さは琵琶湖よりは小さい、水深は9 0.5メートル、1970年に放流された、鯉、フナ、紅鮭などが生息する、
 セリム湖はカザフ語で「サララム・ノー」と言う、サララムとは幸せの意味

バスを降りて、湖の側に行って見る、湖の水は冷たい、天気が良いので何時までも見飽きない、湖の側ではカザフ族の羊や牛の放牧が行われていて、何百等の牛や羊の移動が見える

幸せの湖、セリム湖

 11時20分、遊覧船乗り場でバスを降りる、ここで30分のフリータイム、バスを降りると、馬を引いた一団に取り囲まれる、馬に乗ってみたいけど・・・・・・迷っていると、ツアーの一組の夫婦の方が乗ると言う、添乗員も乗ると言うので、私もチャレンジ、

 沢山の馬の中から、少年が引く馬を選ぶ、少年が家計の為に働いているから・・・・・・なんて考えて乗ったが、考えが甘かった〜

 値段交渉は添乗員に任せる、30分15元(225円)で交渉成立、馬の背は高い、凄く緊張する、手綱を取っていた少年は、私に手綱を渡して、一人で歩いていく、 如何するのよ?・・・・・・・馬の方が利口だった、勝手に歩いていく、

緊張していたが、少しづつリラックス、ようやく景色を見る余裕が出来た、
 周りには花々が咲き乱れている、15分ほどで小高い丘の頂上へ、頂上からは青い湖に白い山、お花畑、素敵な景色が広がっている、馬は頂上で草を食べだして、動かなくなった

丘の頂上から見るセリム湖と天山山脈 馬に乗り、丘を下っていく

 手綱を引こうが、足でお腹を蹴ろうが全然ダメ、添乗員が馬主に声を掛けたら、ようやく馬を引っ張る、これって・・・・・・・・・・後から考えたら時間稼ぎ・・・・

 後は下り道、登るよりも下りの方が怖い、狭い場所を歩くのでヒヤヒヤするが・・・・馬は4本足、心配するほどでもないか・・・・・・・・・丁度30分で出発した場所に着く、そしてお金を払う段になると・・・・・・
「もっと払え」と言ってくる、

 添乗員はガンとして応じない、私の乗った馬主の少年も、大人に混じって文句を・・・・・・少年が家計の為に・・・・・・・・・かと思って、同情した私が甘かった・・・・・少しはチップをと思っていたのに、あんなに露骨に請求してくると、渡す気も起きない、ブツブツ文句を言ってくるのを無視してバスは出発,この馬の持ち主たちはモンゴル族、

 湖を離れて、山に登っていく、峠の展望台からは雪を被った天山山脈が目の前に広がる、こうして見ると、日本の山に良く似ている、さしずめ穂高連峰かな・・・・・・・・・バスを降りて写真を撮る

名前の無い山   養蜂

 中国では6000メートル以上で無いと、名前が無い、この山も天山山脈の中の無名の山、展望台で写真を撮った後、バスは峠を下っていく、途中、沿道で蜂蜜などを売っている場所でバスは止まる、蜂蜜の他に、乾燥チーズも売っている、少し食べてみたが・・・・硬くて食べれなかった、

 山の周りには養蜂の為の巣箱が置いてあるのが目に付く、このあたりは「果子講」と呼ばれる野性の果物が多く生えている場所、その花々の蜜を蜂は集めているだろうか・・・・・・

 13時30分、道の両側には食堂や店などがいっぱい並んだ一角を通りかかる、バスがスピードを落とすたびに、呼び込みが凄い、その中の66番と書いてある食堂に入る、店の外の椅子に座る、
食べる所も調理する所も外で行う

食堂 壁に貼ってあるポスター

 食堂の女主人が調理するのを見ている、すごく手際が良い、丸い茄子を全部皮をむいて使う、材料もこれだけ人数が多いと、足りないのか・・・・・従業員が近くの店に買いに走る、壁には中国の人気の歌手であろうか・・・・・・・ポスターが貼ってある、何だか・・・・・・・・郷愁を感じる風景

 ここでのメニューは定番のラグ麺、ラグ麺は、どの食堂で食べても美味しい、デザートは近くの店で買った桃、日本の桃に比べると半分の大きさ、味も甘みが少ない、

 食事の後、道の反対側にある有料トイレへ、トイレは男女兼用、そしてトイレの横にはシャワールーム、ここには入浴に必要な物や日用品などを売っている、

 2時50分、出発、やがてバスは山を離れて平野に入っていく、隣国カザフスタンとの国境、「コルガス峠」へ、峠はゲートを指す、入場券を払い、歩いて国境へ、川があり、橋が架かっている、川が国境
川の向こう岸がカザフスタン、手が届きそう・・・・・・・に近い

 橋のたもとには軍人がいて、入国する沢山のトラックを見ている、写真もカザフスタン側は撮っても良いが、中国側は撮影禁止、のどかな風景ではあるが・・・・・やはり国境、

監視する軍人と隣国から入国するトラック 橋の向こうはカザフスタン

 ここには中国のもっとも長い国道、312号線の終点、上海から4825キロ、それを示す石碑、近くには国境の町らしく、沢山のお土産店が並んでいる、テレビの入っている箱には「KONIKA」の文字、カメラメーカーが中国でテレビを作っているの・・・・・・・・・・・?
良く見ると「KONKA」・・・・・・・「」の文字が抜けている、まぎらわしい・・・・・・・・笑える

18時半、国境の町を後にする、ここから少し戻った場所に「ティムール廟」がある、バスを降りて歩く
暑い、10分ほど歩き、門をくぐる、道の両側にはリンゴ並木、突き当たりが「ティムール廟」がある、

ティムール廟・・・・・・・・・チンギス・ハーンの7代目の後継者のトウグル・ティムールとその妻のお墓,  その隣の建物には妹が眠るマザール(墓)がある、

ティムール廟 廟の中 妹が眠るマザール

 40分ほど見学するが…・・・暑くて・・・・・早々にバスに引き上げる、セリム湖での寒さは何だったろう・  バスは田園風景の中を走る、途中に沿道にはラベンダー畑が広がっている、ここ伊寧はラベンダーを使った香油が有名である、

ラベンダー畑が広がる 日本のアザミとは違い、大陸的なアザミ?

 道端には大きなアザミが咲いている、日本のとは違い、大きく、葉には鋭いトゲ、うっかり触ったらケガをしそう・・・・・・・

 バスは国道を離れて狭い道に入って行く、19時、恵遠古城に到着、
恵遠古城・・・・・・・・1763年、清の時代、伊梨将軍だった明瑞によって築城、皇帝の恩恵が遠いこの地まで及ぶようにと名付けられた、清時代の末まで、この周辺の政治、軍事の中心地として存在した、

恵遠古城 恵遠古城の塔の上から東門を望む

 古城の塔の上に登ってみる、上からは新しく復元された東門が見える、後、西、南、北の門が復元される予定とか・・・・・・古城の周辺にはお土産店が多い、30分ほど見学した後、伊寧に向かう

 今は桃の季節であろうか・・・・・桃畑が広がり、沿道では桃を売っている、20時、伊寧の街に入る、途端に車も、人も多くなる、ホテルに入る前に街のレストランで夕食を食べる、
ここで水が無くなったので、レストランでペットポトルを買うが・・・・・・・・・

 小さなペットポトルが5元(75円)・・大きなペットポトルを街中やスーパーで買っても1・5元(22円)
ぼったくり・・・・・・・・・・だ、

伊寧郊外 大きいペットポトル22円、小さいペットポトル75円

 21時40分、ホテルに到着、今日は朝9時出発で21時40分到着、観光場所が多くて疲れた、
今日の走行距離、博楽からセリム湖までが93キロ、セリム湖から伊寧までが176キロ、計269キロ
早々に風呂に入りベットへ