4日目(4月5日)パロ滞在
 
 ホテルのレストランからは、遠くに雪山が見える、今日は良い天気、朝食はここでもお粥がでる、このホテルは日本の旅行会社が利用しているからかな?・・日本人好みのお粥、出発までの時間、ホテルの周辺の写真を撮る、山の中腹に建っているので、パロの町が一望出来る、

ホテルからみる雪山 ホテルから見るパロの町
 7時半にバスに乗る、今日は山登り、小さなザックで膝にはサポートを付け、痛み止めの薬を飲み、杖は必需品、バスはパロの中心地を離れて郊外へ、のどかな田園風景が広がっている、途中で標高7314メートルの「チョモラリ」山が見えてきた、青空の中、白い峰はくっきりと見えている、
リンゴの花とチョモラリ チョモラリと周辺の山
 私達がバスを止めて写真を撮っている場所には沢山の馬が居る、ホテルもあり、ここはチョモラリに行くトレッキングの出発する場所の様だ、再びバスにのり「ドゥゲ・ゾン」を目指す、遠くにゾンが見えてきた
ドゥゲ・ゾン遠景
 ドゥゲ・ゾン・・・・・・「ドゥク派の勝利」と言う意味を持つドゥグ・ゾンは1647年にシャブドゥンがチベット軍に対する勝利を祝い、次の侵略に備えて建築した、しかし、1951年に火災の為に崩れ落ち、現在は廃墟になっている、昔はチベットとの主要な交易道で、チベット軍の侵入の経路でもあったが、現在はこの道はこの場所で行き止まり、中国との国境を固く閉ざしている、

 バスを降りて、高台にあるゾンを目指して歩いていく、地元の人達の寺院があり、その横ではサンタブと言われる香炉から煙が出ている、中に入ると誰も住んでいない廃墟、でも、少しづつ修復されている、門を入り、石段を登っていくとウセと呼ばれる本堂がある
サンタブ・・・・・・香炉 ドゥゲ・ゾンの中 ウセ・・・・・本堂
 ここからは眼下に広がる畑が見える、全盛期には沢山の人達が住んでいたので在ろう・・・・・廃墟のゾンは、今は風の音と鳥の鳴き声だけが聞こえる、

 ゾンから下りてくると、子供達がお土産品を売っている、殆どの品物は竹などで作った魔除け、家の壁にはホー(男根)と蛇を食べる鳥などが描いてある、これも魔よけを意味する、
ゾンから見る村 お土産を売る子供達 家の壁に描かれた魔よけの絵
 1時間ほど見学してバスに乗る、バスは山の中へ、上に登るにつれて、高い場所にある「タクシァン僧院」が木立の中から見えてきた、バスは大きな駐車場に停まる、いよいよここから僧院を目指しての登山が始まる、10時、木立の中を歩き出す・・・・・始めはなだらかな道が続く、
駐車場から見るタクシァン僧院 平坦な道が続く お堂 マニ車がある
 今回の参加者の中には、登山をしている人が2〜3人も居て、ペースが速い、付いて行くのが大変、やがて、お堂が見えてきた、中にはマニ車があり、水の力でマニ車が回っている、道にはお土産品を売る人達が座っている、ここからいよいよ急な登りに入る、

 早い人には付いていけないので、マイペースで登るが・・・・・久しぶりの登山は、身体も足も重たい・・・・2500メートルの地点から登り始めたので息が弾む、木立も少なくなってきて、見晴らしは良いけど、その分、日差しが強くなり、暑い、
急坂が続く ケルン? 第一展望台と僧院
 道の途中にはケルンが積んである、これは仏教伝来以前の土着の神への信仰の印、ようやく、木立の中の第一展望台が見えてきた、
登り始めて1時間20分、11時20分に第一展望台に到着、先頭集団は1時間ほどで登ったとの事、早い!ここで甘いコーヒーを飲む、11時半、先頭集団は僧院を目指して登っていく・・・・・・・・私はここまで・・・・・・疲れた
タクシァン僧院     第一展望台から
 タクシァン僧院・・・・・・・8世紀、虎の背に乗って宙を飛び、チベットから西ブータンに布教にやってきたと伝えられるグル・リンパチェ(パドマサンババ)彼はタクシァンで瞑想を行った後、8変化の1つ念怒相に姿を替え、パロに息づいたいた土着神を調伏し、この崖に寺院を開いたと言う

 1998年に火災により僧院は全焼したが、2004年に修復が完了した、今では僧院まで行く事が出来る、しかし、ここから急な坂を上り、第二展望台へ、ここから岩伝いに下りて、又登って僧院へ・・・・・・気が遠くなりそう、ここから見ている方が良い、でも、昔、良くこんな場所に僧院を作ったのか・・・・・・・宗教とは・・・・・・考えると怖くなる、

 現在もこの僧院には沢山の僧が住んでいるが、日用品を運ぶだけでも大変そう・・・馬が沢山居たけど、馬で運ぶのかな?
のんびりと景色を楽しむ、観光客が登ってくるが・・・・・欧米人が多い、12時、第一展望台のレストランで昼食、僧院に行った人は、まだ帰って来ていない、
第一展望台 展望台の猫 昼食
 私は下山の方が苦手の為に、早めに出発、展望台の猫、人見知りしなくて、私の側で一緒に過ごす、猫に別れを告げて?山を降りて行く、登るときよりも、息は弾まないが、足元は・・・・すべる、ゆっくりと杖を付いて下りるが、雨だったら大変だろう・・・・今が一番暑い時、登ってくる人も居る、下山する時になり、ようやく回りの景色を楽しむ余裕も出来た
下山道から 第一展望台近くから見る下の村 駐車場の牛
 花々の写真を撮ったりして、登りよりも時間が掛かり、1時間半でようやく駐車場に到着、皆の降りてくるのを待つ、駐車場には牛が沢山居て、直ぐ側まで寄って来る、流石に猫とは違い、これだけ大きいと怖い、待つこと20分、先頭集団が降りて来た、あまりの速さにビックリ!・・・・・・・第一展望台から30分で降りたって・・・・・・・・・とても付き合いきれない

 予定時間よりも30分早く出発、山を降りて行く、3時、平坦な場所に立つ「キチュラカン」に到着、
キチュラカン 庭にあるミカンの木
 キチュラカン・・・・・7世紀にチベットを始めて統一したソンツェン・ガンボ王は、チベット全域を覆う魔女の力を封じる為に、魔女の身体の108つのツボにあたる場所に寺院を建立した、魔女の左足に当たるパロ(当時ブータンはチベット国土の一部)には、プータンで最初の寺院の1つと云われるキチュラカンを立てた、

 三層の屋根を頂いた旧堂と新堂が並ぶ、中庭に入ると黄色に実るミカンの木が印象的、旧堂の中には釈迦如来像を中心に複数の11面千手観音が安置されている、中は写真は禁止、説明を聞くだけであるが、今回は日本で少し仏教の勉強をしてきたので、少しは判る様になった、

 新堂にはパドマサンババの像が安置されている、1時間ほどの見学の後、パロの中心街へ、メーンストリートには、観光客や地元の人々が沢山歩いている、30分ほどの自由時間、ツアーの人達とお土産店や日用雑貨を売っている店を覗く
パロの中心街 ゴを試着する親子 ドマの乾した物
 民族衣装の「」を着た男性や「キラ」を着た女性達が歩いているが、その口元を見ると真っ赤、・・・・・・・これは「ドマ」と呼ばれるビンロウジュの実、この実を水で練った石灰と共に、キンマの葉で包み噛む、一種の麻薬的な効果があるだろか・・・・・台湾でもインドでも見た、口から真っ赤な唾を吐くので、歩道には至る所にオレンジ色の染みが付いている、

 店先には小さな柿に似た物が売っていたが、これがビンロウジュの実、乾燥した物も売っていた、また、ゴを売っている店では、子供にゴを試着している親子が居たりと・・・・・・見ていて飽きない、

 4時45分にホテルに帰る、一息入れる間も無く「民族衣装の試着」希望者だけだが・・・・私もキラを試着してみる、下にブラウスを着てから、一枚の布を巻きつける、各所をピンで留めて、帯を巻く、その上に上着を着る、着物と似ているが、着物よりも動きやすい、

 写真を撮るが・・・・・・・・・・・流石に公開出来ない、せめて、何十年前の年齢だったら良かったが・・・・・

 キラを試着した後は、焼き石の風呂「ドツォ」へ、この風呂は焼けた石を浴槽に入れて、水を温める、大きな筒の中から、焼けた石が入る、思ったよりも暖かく、足湯だけだったが、5分も居ると汗が出る、

 7時から夕食、今日は一日良く歩き、いろいろな体験をした一日