コウゾの和紙

コウゾの紙は書写以外に傘や照明、障子紙などとして使われます。それは、和紙の中でも特に繊維が長く丈夫だからです。反面、紙にしたときにはゴワゴワした手触りになります。

代表的なコウゾの和紙を見てみましょう

越前奉書紙
越前奉書紙(書画用)
 奉書とは、鎌倉時代以に発達した文書形式で、側近の者が上意を下の者に下達する文書(御教書や院宣など)をいいます。奉書紙はそのための用紙で、各地で漉かれていて種類も多くあります。
吉野美栖紙
吉野美栖紙(表装・文化財修復用)
 美栖紙は、伝統的な手漉き和紙の中で最も薄い紙です。原料に胡粉(上の写真で白いすじの用に見えるもの)を混ぜることで伸縮を押さえています。奈良県でのみ生産されています。こちらへもどうぞ
提灯紙
提灯紙(提灯用)
 文字通り提灯に使われる紙です。提灯は竹籤を円くつないだものを何段にも重ねることにより収縮させることができます。コウゾの長い繊維が丈夫にからみ合っているからこそ可能になります。
本美濃紙(書院)
本美濃紙(書院紙:障子紙)
 日本家屋に障子は欠かせません。平安から鎌倉時代にかけて盛んに作られるようになりました。写真の紙は書院造りの明かり障子に適していることから美濃書院と呼ばれています。障子紙は最も身近な和紙といえます。

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